ホワイトノイズで赤ちゃんの寝つきや泣く時間が改善した小規模研究はありますが、夜泣きをなくす方法とは確立していません。泣く理由を確かめず音量を上げる使い方は避けます。
研究で調べた赤ちゃんの月齢と結果を紹介したうえで、機器の置き方や音量、使うのをやめたい場面を説明します。
赤ちゃんの寝つきや泣く時間が改善した小規模研究

泣く時間が短くなったり、寝つきが早くなったりした小規模な研究があります。ただし、赤ちゃんの月齢や泣く理由はさまざまです。音を流せばどの子も泣き止む、という意味ではありません。
泣く時間が短くなった研究
2018年発表の研究では、長く泣く状態にある生後1か月の赤ちゃん40人について、揺らしてあやす週とホワイトノイズを使う週を、順番を入れ替えて比較しました。保護者の日誌では、ホワイトノイズの週の方が1日の泣く時間が短く、睡眠時間も長くなりました。研究[1]
Seziciらの試験の対象は、乳児疝痛と呼ばれる、長く泣く状態の赤ちゃんです。空腹や発熱など、あらゆる原因の泣き方に音が効くと分かったわけではありません。
また、保護者が使った方法を知っているため、期待が日誌の評価に影響した可能性もあります。
80%が眠ったは、生後間もない赤ちゃんの短時間の結果
1990年の研究では、生後2〜7日の新生児40人を2群に分けました。5分以内に眠ったのは、ホワイトノイズを聞いた20人中16人、音なしの20人中5人でした。研究[2]
新生児の短期試験では、ホワイトノイズを流した群の20人中16人が入眠しました。この結果は、あらゆる赤ちゃんが同じ割合で泣き止むことを示すものではありません。入眠後の睡眠時間、月齢が上がっても同じか、市販のどの機器でも同じかまでは、1990年の新生児試験の結果から分かりません。
寝つきがよくなることと、夜泣きがなくなることは別

早く寝つけても、入眠後に何度も目を覚ますことはあります。そのため「寝かしつけが楽になるか」と「夜中に起きなくなるか」は、分けて考える必要があります。
2025年に複数の試験をまとめた研究では、全体12試験・1,301人のうち、0〜3歳の乳幼児356人が含まれていました。乳幼児では、昼寝も含めた24時間の合計睡眠時間や目を覚ます回数に改善が見られた一方、夜の12時間の合計睡眠時間には明確な差がありませんでした。研究[3]
項目ごとに使われた試験は限られ、月齢や流した音も異なります。寝つきなどに変化が出た試験はありますが、夜泣きをなくす効果は確立していません。試す場合は「夜通し眠らせる」ことより、目の前の寝かしつけで少し落ち着けるかを見ていきましょう。
連続音は物音を目立ちにくくするが落ち着く理由は未確定

ホワイトノイズは「サー」という連続した音です。背景に一定の音があると、ドアの開閉など急に聞こえる物音が目立ちにくくなることがあります。
「お腹の中の音に似ているから安心する」とも説明されますが、新生児の入眠と乳児疝痛の研究は、赤ちゃんが落ち着いた理由まで確定したものではありません。周囲の音との関係や音の好みなど、作用の仕方にはまだ分からない部分があります。
仕組みを理解するうえで大切なのは、音が空腹や体調不良を解消するわけではないことです。泣いている理由を確かめたうえで、あやし方の一つとして考えてください。
使うなら、置き場所・音量・時間をセットで調整する

数字を身近な音に置き換えると
40dBは図書館、50dBは静かな事務所が目安です。35dBは、ささやき声の30dBと図書館の40dBの間に位置します。
音源からの距離や周囲の環境で変わります。同じ数値でも、低い音・高い音、連続音・突然の音では感じ方が異なります。
この図は日常の音量の例です。睡眠中や赤ちゃんに聞かせる音の推奨値・安全基準ではありません。
図解の出典
秋田市:騒音・振動の例(生活音の目安)
赤ちゃん向けと書かれた機器でも、大きな音が出ることがあります。2014年に乳児用の音響機器14台を最大音量で測った研究では、30cmの位置で全機器が50dBAを超え、3台は85dBAを超えました。研究[4]
dBAは耳の聞こえ方を考慮した音の大きさの単位です。Hughらの研究は機器の出力を調べたもので、赤ちゃんに聞かせて難聴の発生を測った試験ではありません。
ただ、製品名だけで安心せず、置き方と設定を考える必要があると分かります。
- 置き場所:機器はベビーベッドの外に置き、頭からできるだけ離します。コードも赤ちゃんの手の届かない位置にまとめます。
- 音量:最小設定から確認し、泣き声を覆うために大きくしないでください。大人にちょうどよい音量が、乳児にも適切とは限りません。
- 時間:寝かしつけなど必要な場面に限り、停止タイマーを活用します。眠った後まで自動的につけっぱなしにしないようにします。
「2m離せば安全」「50dBA未満なら何時間でもよい」という共通の境界は、2014年の機器出力の研究からは決められません。同じ音量目盛りでも機器・距離・部屋で耳に届く音は変わり、スマートフォンの騒音測定アプリも安全を保証するものではありません。
赤ちゃんは仰向けで、硬く平らな寝床に寝かせ、寝床に音響機器や不要な物を入れないことが基本です。音を使っても、泣き声や様子の変化が分かる環境を保ってください。NICHDの安全な睡眠環境の案内
泣き止まないときは、音を変える前に赤ちゃんの様子を確認

まず空腹、おむつ、暑さ・寒さ、抱き方による不快感がないかを確かめます。抱っこなど、普段のあやし方で落ち着くなら、音を追加する必要はありません。
試しても変化がない、嫌がるように見える場合は止めて構いません。音量を上げたり、音源を次々に変えたりして泣き止ませようとしなくて大丈夫です。
いつもと違う泣き方、飲みの悪さ、発熱、呼吸の異常などがあれば、音で様子を見る時間を延ばさず医療者へ相談してください。英国NHSも、なだめられない泣き方や普段と異なる声などを相談の目安に挙げています。NHSの泣いている赤ちゃんへの対応
泣き声が続くと、世話をする大人も疲れ切ってしまいます。一人で抱え込まず、家族や相談先に助けを求めてください。
赤ちゃんを激しく揺さぶることは絶対に避けます。
日本で夜間・休日に受診を迷うときは、子ども医療電話相談#8000が使えます。受付時間は都道府県で異なります。呼吸がおかしい、反応が乏しいなど緊急の様子なら電話相談を待たず119へ。厚生労働省:子ども医療電話相談
購入するなら、音の数より小さく・短く使えるか

収録音が何十種類あるかより、音量を十分に下げられること、停止時間を設定しやすいことを優先しましょう。離れた位置で安定して置けるか、コードの取り回しに無理がないかも確認します。
スマートフォンで試す場合は、広告や通知、再生の途切れによって突然音が変わらないかを、先に大人が確認してください。専用機も、起動時の音量やランプの明るさは製品によって異なります。
一覧には成人向けの機器も含まれます。商品ページでは乳児への使用が想定されているか、対象月齢・使い方の記載があるかを確認し、音が出せるというだけで乳児用に選ばないでください。
たとえばDreamegg ホワイトノイズマシン YF03やDreamegg ホワイトノイズマシン D1 Novaを検討する場合も、音数や赤ちゃん向けという表示だけでは決めません。最低音量、停止タイマー、手の届かない場所への設置と電源コードの取り回しを確認します。
耳元での音量は置き場所にも左右されるため、機器の音量目盛りだけで安全な大きさとは判断できません。
紹介した乳児研究で、D1 NovaとYF03による泣き止み効果を確認したわけではありません。機器を買う前に使う必要があるかを考え、使う場合に調整しやすい仕様を選ぶための候補です。
使い始める時期や、習慣になることへの疑問

全員に共通する開始月齢は研究で決まっていない
全員に勧められる開始月齢は、研究では決まっていません。新生児の試験があっても、家庭で生まれた日から使うことを一律に勧める根拠にはなりません。
製品の対象月齢・注意事項を確認し、早産や持病などで個別の管理を受けている場合は担当の医療者に相談してください。
一晩中の連続使用を安全とする長期根拠は不足している
毎晩一晩中使う安全性を保証する長期データは、引用した短期研究にはありません。寝つくときなど必要な場面に絞り、停止タイマーを使ってください。
小さい音なら時間を気にしなくてよい、という意味でもありません。
中止後の長期的な影響は短期試験から決められない
長く使った後にやめた場合の影響は、短期研究だけでは分かりません。使わなくても落ち着けるときには流さず、必要な場面の補助として扱えば十分です。
音をやめるたびに困る状態が続くなら、生活リズムや体調も含めて健診・小児科で相談してください。
ホワイトノイズを使うかどうかで、寝かしつけの良し悪しが決まるわけではありません。いつものお世話をしたうえで、赤ちゃんと家族の負担を少し減らせるかを見ながら、取り入れるかを決めてください。
泣く理由を確かめ必要な場面だけ小さい音を使う
空腹、おむつ、暑さ寒さ、体調を先に確認し、普段の世話で落ち着くなら音は不要です。試す場合は寝床の外で頭から離し、最小音量と停止タイマーを使います。
変化がなければ音を強めず中止し、呼吸の異常や反応の乏しさなど緊急の様子には119で対応します。
参考文献と確認資料
本文の番号から、対応する論文を確認できます。効果を調べた研究と機器の音量を測った研究は役割が違うため、対象・方法・結果を分けて紹介しました。
- Comparison between swinging and playing of white noise among colicky babies: A paired randomised controlled trial.
Sezici E, Yigit D. Journal of clinical nursing. 2018. DOI: 10.1111/jocn.13928. PMID: 28618052. - White noise and sleep induction.
Spencer JA, Moran DJ, Lee A et al.. Archives of disease in childhood. 1990. DOI: 10.1136/adc.65.1.135. PMID: 2405784. - Impact of white noise on sleep quality across age groups and in critically ill/non-critically ill patients: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
Ding Y, Sun X, Yin J et al.. Sleep medicine. 2025. DOI: 10.1016/j.sleep.2025.106869. PMID: 41151421. - Infant sleep machines and hazardous sound pressure levels.
Hugh SC, Wolter NE, Propst EJ et al.. Pediatrics. 2014. DOI: 10.1542/peds.2013-3617. PMID: 24590753.
本文・商品情報の照合日:2026年9月29日。各仕様の一次出典と確認日は商品ページに掲載しています。
文章・構成の見直し:2026年10月3日。編集:ふとんくらべ編集部。
